RELAX...?
ゆうすけの豪海倶楽部 - 2010.06
- 2010年6月 3日 23:01
- NEWS
前回に続き、また生物多様性ネタ。
どうもまだ「生物多様性」について語られる時、"多い状態を保つ"、もしくは"いなくなりそうな生物を死守する"、という事ばかりに話題が集中していて、もっともっと大切な事がまったく考慮されていないような気がしてならない。
「生物多様性」の保全とは単純に多い状態をたもてば良いという話ではないのだ。
無理やり多い状態を保とうとすると、生態系の均衡を崩しかねない場合も多々ある事をもっと知る必要がある。
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会誌「Nature of Kagoshima」VOL.36 発行
- 2010年5月11日 14:04
- BOOK | FISH WATCHING | NATURE | NEWS
僕も理事として参加している"鹿児島県自然愛護協会"の年会誌「Nature of Kagoshima」のVOL.36が発行された。
表紙には僕が先日、撮ったコブシメの間男によるメス強奪写真を使って頂いた。
昨年号はかずえの撮った白谷雲水峡の写真だったので、2年続けて屋久島から写真になるのだが、良いのだろうか。。。(-_-;)
僕らダイバーに関係する話題としては、昨年末に新種記載されたNavigobius dewaに標準和名が提唱された事だ。
モモイロカグヤハゼ(新称) Navigobius dewa
これは鹿児島の出羽氏による命名だそうだ。
今のところ、鹿児島の錦江湾、奄美大島北部、伊豆半島東部で記録され、屋久島での記録はない。
モモイロカグヤハゼよりもずっと前からダイバーの間で知られていた、通称「ピンクダートゴビー」は依然として未記載種のままなのだが、こちらは屋久島でも普通に見られる。
今回、新属・カグヤハゼ属が提唱された事で、この「ピンクダートゴビー」も「~カグヤハゼ」となるのだろうか。。。?
この会誌はネットから誰でもダウンロードできる。
論文ごとにダウンロードする事も可能だ。
↓
http://www.kagoshima-nature.org/
オオメワラスボ科魚類Navigobius dewa モモイロカグヤハゼ(新称)の生息状況(出羽慎一・出羽尚子・本村浩之)
↓
http://issuu.com/shigeru/docs/15h_dewa_et_al?mode=embed&layout=grey
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科博の新種プロジェクト
- 2010年4月16日 22:44
- FISH WATCHING
先日、国立科学博物館の新種プロジェクト第3弾にて、沢山の新種が記載され、標準和名がついたものもいくつかあるので、紹介する。
イズオコゼ(新称) Cocotropus izuensis
戦前、八丈島から採られた1個体の標本を基に「マスダオコゼ(Cocotropus masudai)」という魚が記載されたのだが、その後、伊豆半島でも見つかり、これらもすべてマスダオコゼと同定された。
しかし、この伊豆半島で見つかった連中は、精査の結果、マスダオコゼではなく、未記載種であることが判ったようだ。
今まで伊豆半島でダイバーが見つけたマスダオコゼとしていた魚はそのほとんどが、「日本産魚類生態大図鑑」に載っている2枚のマスダオコゼの写真、もしくは「日本産魚類検索 全種の同定」から同定していると思われるのだが、それらはすべてイズオコゼになるみたい。
「日本産魚類生態大図鑑」P89の2枚のマスダオコゼは共にイズオコゼ。
「日本産魚類検索 全種の同定」P601のマスダオコゼのイラスト(絵)もイズオコゼ。
参考: Cocotropus masudai(マスダオコゼ)
参考: Imamura, H., Aizawa, M. & Shinohara, G. (2010): Cocotropus izuensis, a New Species of Velvetfish (Teleostei: Aploactinidae) from Japan.
マツリビハゼ(新称) Phoxacromion kaneharai
「日本のハゼ―決定版」P479に載っている「ハゼ科の一種13」が新種として記載され、標準和名も提唱された。
学名には奄美大島のガイドさん、金原さん(アマミエンシス)の名前が献名されている。
このハゼは今のところ、奄美大島と沖縄本島が分布とされ、静かな内湾の-2m~-3mぐらいの浅場砂地にいるらしい。
屋久島にもいそうだな。。。
ちなみにこのハゼは何と新属になり、属名も記載されこれにも標準和名がついた。
マツリビハゼ属 Phoxacromion
参考: Shibukawa, K., Suzuki, T. & Senou, H. (2010): Phoxacromion kaneharai, a New Genus and Species of Gobiid Fish (Teleostei: Perciformes: Gobiidae) from the Ryukyu Islands, Japan.
クジャクハゼ(新称) Parioglossus caeruleolineatus
「日本のハゼ―決定版」P500に載っている「サツキハゼ属の一種」が新種として記載され、標準和名も提唱された。
このハゼは今のところ奄美大島のみの記録で、河口のマングローブ域の泥地浅場で群れていて、驚くと巣穴に隠れるらしい。
屋久島では環境的にちょっと厳しい気がする。。。
参考: Three New Species of the Ptereleotrid Fish Genus Parioglossus (Perciformes: Gobioidei) from Japan, Palau and India
ムスメハゼ(新称) Parioglossus senoui
このハゼは、昔、月一で発行されていた「IOP Diving News」の1994年9月号(Vol.5,No.9)のP4で未記載のまま標準和名のみ提唱された種類なのだが、ようやく記載された。
今のところ、パラオのバベルダオブ島と西表島のみの記録で、岩礁域の20-60cmの激浅水深で群れているらしい。
またサツキハゼなどにも混じっていたりするらしい。。。
参考: Three New Species of the Ptereleotrid Fish Genus Parioglossus (Perciformes: Gobioidei) from Japan, Palau and India
参考: Suzuki, T. , H. Senou, and M. Aizawa. 1994. Two newly recorded and one unidentified species of the genus Par-
ioglossus from Japan. I. O. P. Diving News, 5(9): 2-6.
フタヒレホオカギハゼ(新称) Ancistrogobius dipus
ウロコホオカギハゼ(新称) Ancistrogobius squamiceps
アサバノホオカギハゼ(新称) Ancistrogobius yanoi
イトカケホオカギハゼ(新称) Ancistrogobius yoshigoui
ハゼ科に新属ができ、そこに4種が新種記載された。
ホオカギハゼ属 Ancistrogobius
フタヒレホオカギハゼは「日本のハゼ―決定版」P472に載っている「ハゼ科の一種4」。
ウロコホオカギハゼは「日本のハゼ―決定版」P475に載っている「ハゼ科の一種7」。
アサバノホオカギハゼは「日本のハゼ―決定版」P473に載っている「ハゼ科の一種5」。
イトカケホオカギハゼは「日本のハゼ―決定版」P474に載っている「ハゼ科の一種6」。
ちなみにアサバノホオカギハゼの学名の小種名には西表島のガイド・矢野さんのお名前が献名されている。
参考: Ancistrogobius, a New Cheek-spine Goby Genus from the West Pacific
and Red Sea, with Descriptions of Four New Species
(Perciformes: Gobiidae: Gobiinae)
ネズスナギンポ(新称) Myopsaron nelsoni
小笠原から得られた標本を基に記載されたベラギンポ科の新種。
何やら55-90mとかなり深いところに棲む魚のようだ。。。
ちなみにこの魚は何と新属になり、属名も記載されこれにも標準和名がついた。
ネズスナギンポ属 Myopsaron
参考: Myopsaron nelsoni, a New Genus and Species of Sandburrowers
(Perciformes: Trichonotidae: Creediinae) from
the Ogasawara Islands, Japan
ササガキハゼ(新称) Hetereleotris exilis
このハゼも何やら深そうだ。。。(-_-;)
沖縄のナガンヌ島沖、水深53mぐらいのところでドレッジをかけて得られた1標本から記載されたハゼらしい。
参考: Hetereleotris exilis, a New Goby (Teleostei, Perciformes, Gobiidae) from
the Ryukyu Islands, Japan
バケイサゴハゼ(新称) Gobiopsis namnas
このハゼも深そう。。。(-_-;)
宮崎県の都井岬沖、水深101mぐらいのところでドレッジをかけて得られた8標本から記載されたハゼらしい。
参考: Gobiopsis namnas, a New Deep-dwelling Goby (Teleostei:
Perciformes: Gobiidae: Gobiinae) from Japan
コタカニギス(新称) Glossanodon kotakamaru
この魚も深そう。。。(-_-;)
中央水産研究所黒潮研究部の漁業調査船「こたか丸」の名前が献名された魚で、土佐湾、及び奄美大島での底曳き網調査の際に採られた11標本から記載されたようだ。
参考: Glossanodon kotakamaru, a New Argentine Fish from Southern Japan
(Protacanthopterygii: Argentinidae)
ワニゴチ Inegocia ochiaii
日本のワニゴチの和名はこれまでInegocia guttataに充てられていたが、これは誤同定で、実際は未記載種だった、という事だと思う。。。多分。。。
もう面倒臭くて論文を読むのが辛くなってきた。。。あとは下記の論文を読んで逆に教えてください。。。(^^;;
おやすみなさい。。。(mー_ー)m.。o○ zZZZ
参考: A New Species of the Flathead Genus Inegocia
(Teleostei: Platycephalidae) from East Asia
the Ogasawara Islands, Japan
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「月刊アニマ」という雑誌 #anima_rep
昔、「アニマ(平凡社)」という野生動物を扱った専門誌があった。
1993年に休刊となり、今はないのだけど、そこで扱われた動物の生態や行動を切り取った写真の数々に僕はかなり魅了された。
現在もある類似の雑誌としてはナショナルジオグラフィック誌やイギリスBBCのワイドライフ誌などがあるが、何かが違う。。。
アニマの中に脈々と流れているテーマとか主張とか、自然に対する姿勢や考え方の違いなんだろうけど、それを具体的に説明できないのが悔しい。
そこでナショナルジオグラフィック誌(以下、ナショジオ)とアニマに掲載されている写真を比較対象にして、アニマという雑誌について語ってみたい。
ナショジオに掲載されている写真も素晴らしいものが多いのだが、日々、地味に自分のフィールドに繰り返し通い続ける僕にとっては、確かに素晴らしい写真なのだが、その写真を見ても何か今ひとつ現実感が持てなかった。
ナショジオの写真は基本的にワールドワイドなフィールドを舞台に「写真愛好者によるカメラマン的視点」の写真が多いのに対し、アニマで使われていた写真の多くは身近な国内で撮られ、そのフィールドへの思い入れが強い「自然愛好者によるナチュラリスト的視点」の写真が多かったように感じる。
また両誌ともにメッセージ性はあるのだけど、ナショジオがどちらかというと報道写真にも似た第3者的な立場で外から訴える写真が多いのに対し、アニマは自分自身を含む生態系の一員として中から訴える写真が多く、それは「自然や生き物が本当に好きなんだなぁ。。。」という事がもの凄く伝わるものだった。
さらにナショジオの写真はまず先に企画や意図などがあって、その上で撮っているような作り込まれた、質の高い写真が多いのに対し、アニマは自然や生物をカメラ片手に興味を持って追いかけた結果、最初に意図したもの、仮定したものとは違うのかもしれないけど撮れた"生の写真"、そんな違いを感じる。
それから、ナショジオの写真は被写体である生き物に感動するというよりは、写真そのものの芸術性やレベルの高さに対して感動させられているのに対し、アニマの写真は被写体である生き物の生き様とその生態や行動に感動させられ、さらに心がワクワクしてくる写真が多いのが特徴だと思う。
以上は完全に僕の偏見によるものだが(笑)、この説明で「アニマ」という雑誌がどんな雑誌だったのか、少しはお分かり頂けただろうか。。。?
「月刊アニマ」創刊20周年記念号(1993年) 土居秀夫編集長・編集後記創刊当時、「いつまで続けられるだろうか」と、危惧の声すら聞かれたアニマもお蔭様で20周年を迎えることができた。
しかし、その記念号をもって小誌が休刊となることをお伝えしなくてはならず、感慨無量といういうほかない。
アニマが歩んだ20年の間に、自然環境の保全・野生動物の保護を誰もが大事に考えるようになった一方で、地球環境全体の危機はかえって深刻さを増している。
この中で絶滅していった動植物の数も少なからぬ数に上るはずだ。
そのような時こそ、私たち人間も一員である地球共生系のなかまたちの生活、自然のしくみをありのままに見つめ、よりよく知ることが大切なのではないだろうか。
主なテーマをそこに置いてきた小誌を多年にわたり、支えていただいた愛読者の皆様、執筆者の皆様に心からお礼を申し上げるとともに、日本にナチュラルヒストリーの心がしっかりと根づいていくことを祈りたい。 (土居)
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←1973年創刊号(左)と1993年最終号(創刊20周年記念号)
「月刊 アニマ(平凡社)」
1973年に創刊された"自然史"をテーマとして扱った野生動物雑誌で、「今西進化論」の今西錦司氏や日本野鳥の会の創始者、中西悟堂氏を監修に迎え、動物の生態や行動を良質な写真と記事で毎号紹介し、星野道夫氏や宮崎学氏など、日本を代表する動物写真家も多く輩出した。
年一回開催されるアニマ賞という写真コンテストはプロの動物写真家になる登竜門だった。
また自然保護に関する記事も多く、フィールドワークを基本に個々の動物を観察し、それを科学的な観点から保護に繫げていこうとする姿勢がみられた。
1993年に突然休刊となり、20年間の歴史に幕を閉じた。
自然や生物の多様性への関心がより高まってきた今こそ、その復刊が望まれる。
そんな「月刊アニマ」の復刊を目指しています!
昔、愛読していた方はもちろんの事、「アニマ」を知らない世代の方でも自然や野生動物が好きな方、自然保護に関心のある方だったら絶対に満足する内容の雑誌だと思います。
Twitterをやっている方は復刊希望ハッシュタグ #anima_rep に熱いメッセージをよろしくお願いします!
下記に「アニマ」復刊署名用ツイート・ボタンを用意しました。
・ @heibonshatoday は「アニマ」を出版していた平凡社さんのアカウント
・ #anima_rep は「アニマ」復刊用ハッシュタグ
・ #bdjp は生物多様性関連ハッシュタグ
・ #cop10 は今年、愛知で開催されるCOP10用のハッシュタグ
@heibonshatodayやハッシュタグの取り外し、文章の改変は自由にやってくださって結構です。
ぜひ、ご協力をお願いします!(^^)
⇒ ".@heibonshatoday 「月刊アニマ」の復刊を支持します! #anima_rep #bdjp #cop10"
⇒ ".@heibonshatoday 「月刊アニマ」をぜひ読んでみたいです! #anima_rep #bdjp #cop10"
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ミドリハゼとハナグロイソハゼが新種記載
- 2010年4月 8日 00:32
- FISH WATCHING
普段、生物に馴染みのない方にとっては、「新種」というと"初めて見つかった種"の事だと思ってしまうかもしれないが、実は前々から知られている例は数多い。
魚の世界でもダイバーの間ではよく知られていて、ごくごく普通に見られる魚なのに、実はまだ正式には「新種」として記載されていない魚は山のようにいる。
こうした生物は"まだ種として記載されていない"という意味で「未記載種」と呼ばれている。
また学術的には、学名がつけられて初めて「新種」として記載される(認められる)わけだが、どういうわけか和名は先にあったりするパターンも多い。
和名というのは単なる地域名であって、世界的にはまったく通用せず、和名はあるのに学名がないという状態は「学術的に種としては認められていないけど、ニックネームはあるよ!」という状態に近いわけだ。
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最近、海外の研究者による論文で4種のイソハゼの仲間が新種記載された。
→David W. Greenfield and John E. Randall. 2010. "Four New Gobiid Fishes of the Genus Eviota from the Western Pacific, with Clarification of Eviota guttata and Eviota albolineata" . ダウンロード
そのなかで現時点で日本国内にも分布しているイソハゼが2種含まれている。
それはミドリハゼとハナグロイソハゼだ。
この2つの和名はずっと前からあったものなのだが新種なのだ。(笑)
ミドリハゼ Eviota toshiyuki
1種目は日本のハゼ(平凡社)には載っていないのだが、改訂版 魚類図鑑 南日本の沿岸魚
のミドリハゼがそうらしい。
日本で見られるミドリハゼはこれまでEviota epiphanesとされてきたが、これは誤同定だったようで、実際は未記載種だったようだ。
つまり新種だったというわけ。
この学名を見て気づいた方もいるのかもしれないけど、小種名には「日本のハゼ(平凡社)」の著者の一人、鈴木寿之氏の名前が献名されてる。
屋久島での生息状況なのだが、これがちょっと分からない。。。(^^;)
正直言って、僕には難しすぎて、どんなハゼなのか認識すらできていない。
実際、魚類写真資料データーベースでミドリハゼを検索すると幾つかの種が混同されているようで、慎重に見分ける必要があるようだ。
ハナグロイソハゼ Eviota shimadai
2種目は日本のハゼ(平凡社)にEviota sp. D(ハナグロイソハゼ)として、つまり未記載種として載っているイソハゼの仲間だ。
これがようやく新種記載されたわけだ。
このハゼにも日本人の名前が献名されているのだが、シマダさんって誰だろ?
ハナグロイソハゼは屋久島でも結構見られる普通種だ。
今回、新種記載されたと言っても、何かぴーんとこない。。。(笑)
ハナグロイソハゼはこれまで通りハナグロイソハゼであって、なんら変わることはないのだった。。。(^^;;
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